2010年 2月14日
鈴鹿・雨乞岳・山スキー?


鈴鹿の奥山、雨乞岳に行ってきました。スキーは完全にお荷物になりましたが、奥の畑谷の綺麗な霧氷と峠道のたたずまいを楽しみました。
鈴鹿の奥山、雨乞岳に行ってきました。スキーは完全にお荷物になりましたが、奥の畑谷の綺麗な霧氷と峠道のたたずまいを楽しみました。

GPS軌跡
GPS軌跡


 津市からも鈴鹿の山並みが望まれるのですが、よく晴れた日には、ちょうど仙ヶ岳のスカイラインの上に、わずかに白い山並みが確認できることがあります。
この山は何なのか。地図で確認すると、どうも鈴鹿の主稜線ではなく雨乞岳のようである。この奥深い山は、御在所の雪がなくなってもその稜線に雪を残しています。

 今日は以前から気になっていた雨乞岳に行ってきました。

 林道終点に車を止め、登山道に入る。初めてだとわかりにくいが、登山道は林道右手少し登ったところにある。この道は、近江甲津畑から、杉峠、根の平峠を経て、菰野の千種へ至る千草街道で、1570年、信長が京都から美濃へ逃げのびる折にも、この峠道を越えたそうである。

 登山口付近には雪は全くない。桜地蔵尊を過ぎたあたりから、所々雪道となる。大峠への分岐を過ぎ、橋を渡ったところに奥の畑沢への分岐がある。奥の畑沢へはしばらくは明瞭な踏み跡があるが、上部は完全に沢登りとなるので、安易に踏み入るべきではない。

 しばらく奥の畑沢を遡ると広場に出る。果樹園の跡であろうか、広々とした原にまばらに木立がある。いくつも徒渉を繰り返しながら、なだらかな沢沿いの原を登っていく。だんだんと谷の幅が狭くなり、傾斜も急になっていく。最後の枝沢と分かれさらに登っていくと、5m滝に行く手を阻まれる。これは直登不可能で、アイゼンを着け、右に高巻く。

 この滝より上は急傾斜のナメとなる。右岸の尾根はヤブがきつそうなので、左岸の尾根に取り付く。200m程急斜面を登ると稜線に出る。稜線には雪が…ナイ!笹の濃い稜線を少したどると雨乞岳山頂だ。山頂からは鎌ヶ岳、御在所、御池岳、伊勢湾、琵琶湖、御嶽、中央アルプス素晴らしい展望だ。確かに仙ヶ岳越しに津の平野も望まれる。

 しかしながら、雪がこんなにも少ないとは…。せっかくスキーを背負ってきたので、杉峠までの下りにかろうじて稜線に残る雪を無理矢理に滑る。北尾根東側斜面に雪がついていたので少し遊んだ。

 杉峠からの下りはミズナラやシデの大木が居並ぶ落ち着いたたたずまいの峠道だ。これだけ立派な大木は自然の山でもなかなかお目にかかれない。古くより往来の多いこの道で、これだけ多くの雑木が薪炭にされることなく残されてきたのは、何らかの精神的な理由があるに違いない。

 スキーはほとんど滑ることはできなかったが、また沢登りや、紅葉の季節にも訪れてみたい山域だ。

タグ:雨乞岳、千種街道、テレマークスキー、沢登り。


8:40甲津畑登山口(430m)
9:50奥畑沢出合分岐(630m)
10:05広い原(680m)
11:405m滝(1100m)
12:20稜線(1200m)
12:35-50雨乞岳山頂(1237m)
13:25雨乞岳北尾根南斜面(1080m)
13:40杉峠(1042m)
14:33奥畑沢出合分岐(630m)
15:35登山口(430m)
登山口付近には雪はない。
登山口付近には雪はない。

桜地蔵尊を過ぎたあたりから所々雪道となる。
桜地蔵尊を過ぎたあたりから所々雪道となる。

千種街道と分かれ、奥の畑谷を遡る。
千種街道と分かれ、奥の畑谷を遡る。

奥の畑谷の原。
奥の畑谷の原。

奥の畑谷上部。
奥の畑谷上部。

奥の畑谷の霧氷。
奥の畑谷の霧氷。

自然の造形。
自然の造形。

奥の畑谷源流部。
奥の畑谷源流部。

5m滝。
5m滝。

左岸の尾根に乗り上がる。
左岸の尾根に乗り上がる。

奥の畑谷源頭部より雨乞岳方面を望む。
奥の畑谷源頭部より雨乞岳方面を望む。

奥の畑谷源頭より。左奥の山は綿向山。
奥の畑谷源頭より。左奥の山は綿向山。

東雨乞岳。
東雨乞岳。

雨乞岳山頂より、御在所、鎌ヶ岳。
雨乞岳山頂より、御在所、鎌ヶ岳。

仙ヶ岳越しに、安濃津浦を望む。
仙ヶ岳越しに、安濃津浦を望む。

イブネ越しに、御池、霊仙、伊吹方面。霊仙山の雪も随分溶けた。
イブネ越しに、御池、霊仙、伊吹方面。霊仙山の雪も随分溶けた。

杉峠への下り。
杉峠への下り。

北尾根東側斜面。少しスキーで遊ぶ。
北尾根東側斜面。少しスキーで遊ぶ。

杉峠。
杉峠。

杉峠直下。
杉峠直下。

大シデ。信長が通った時代からここに立っているのだろうか。
大シデ。信長が通った時代からここに立っているのだろうか。

里から見上げる雨乞岳(左奥)。右は綿向山。
里から見上げる雨乞岳(左奥)。右は綿向山。