GPS軌跡
2/20、21、奥伊吹スキー場から伊吹山まで、スキーで縦走してきました。
どちらから縦走するか迷いましたが、20日はまだ冬型気圧配置が残りそうで、伊吹山で吹雪かれるのもイヤでしたので、奥伊吹スキー場から縦走することにしました。先週、雨乞岳では雪不足でがっかりしましたが、江美国境はまだまだ雪深く、すばらしい新雪にありつけました!(その分ラッセルは大変でしたが…。)ついでに4年ぶりに百名山をGETしました。これで66座となりました。
奥伊吹スキー場のリフトは8:00から営業開始だが、上部の第10リフトはすぐには稼働しないので歩いて登ることにする。奥伊吹スキー場駐車場を7:00に出発、ゲレンデをシール登高する。
第10リフト終点はガスの中だ。稜線をブンゲンの方面を目指して歩いていくが、稜線上は30cm以上の積雪だ。もっと雪がしまっていることを期待していたが、この先苦労をしそうだ。
少しの登りでブンゲンに至る。ブンゲンから南にこれから進む稜線が望まれるが、伊吹山はガスで見通しが利かない。伊吹山は吹雪いていることであろう。
いくつもなだらかなピークを越えていく。下りはすばらしい新雪の斜面だ。堅雪に30cmほどのさらさらの新雪が積もり、今シーズン最高の雪にありついた。稜線には雪庇が発達し、踏み抜かないように注意して進む。
途中1400mピークあたりから県境尾根は樹林帯となる。この辺りは地形が複雑となり、視界が利かないとルートファインディングが難しい。
1019mの鞍部を過ぎると虎子山の登りにさしかかる。虎子山山頂直下は急傾斜の雪壁となっており、スキーを脱いでアイゼンを効かせた雪壁登攀となる。
虎子山の山頂はなだらかで、山麓には国見岳スキー場が望まれる。しばらく稜線上をたどり、国見峠への尾根に乗り移る。国見峠への尾根の上部は快適な林間滑降となるが、下部は薮がうるさく支尾根に迷い込まないように注意が必要だ。
国見峠には13:30着。今日の行動予定は国見峠までであったが、予定より早く着いた。この辺りは雪が少なく雪洞を掘るのに苦労しそうだったので、もう少し先に進むことにする。しばらく登っていくと雪が十分となり、国見岳直下の雪壁にシール登高を阻まれる。今日はこのブナの元に雪洞を掘り、ビバークすることにする。雪洞を掘っているとだんだんと天候が回復してきて、奥伊吹方面の展望が良くなったが、日が沈むとまた雪が降り出した。
翌朝、5cmほどの新雪が積もっていた。天気は快晴、すばらしい景色だ。奥伊吹方面もきれいに望まれる。
7:00に出発し国見岳の雪壁に取り付く。山頂に立つとようやく伊吹山の大きな全容が目に入る。伊吹山までの稜線がすべて確認できるがまだまだ遠い。
相変わらず新雪がすばらしく、下りの滑降は気持ちが良い。滑降と登高を幾度も繰り返し、最後の急な雪稜を登りきると静馬ヶ原に着く。
伊吹山ドライブウェイは雪でふさがれており、何カ所かは急斜面となっており通過できないように見える。実際に行ってみると道が雪壁でふさがれ通行不可能だ。ここは伊吹山北東尾根に登り上がり、尾根沿いに山頂を目指す。北東尾根はやせ尾根で雪も不安定、東側の谷は切れ落ちておりかなりの高度感、なかなかの緊張感を強いられる。上部がどうなっているか不安であったが、100mほど登るとすっきりとした雪稜となり会心の詰め上がりだ。14:00、1310mピークに立つ。
頂上台地をたどると伊吹山山頂だ。今日は最高の天気で、360度の展望だ。歩いてきたブンゲンから伊吹山までの稜線も見渡せる。
山頂から南側大斜面を伊吹山スキー場跡まで滑り、一合目から登山口まではぬかるんだ登山道を下った。
バスの時間まで間があり、じっとしているいると寒かったので、R365鷹番交差点まで歩いた。米原市伊吹庁舎バス停から甲津原までバスで戻り、甲津原バス停から奥伊吹スキー場まで月明かりの道を歩いた。奥伊吹スキー場に戻ったのは19:00であった。
メモ:
ブンゲン近辺、1400mピーク~1019m鞍部間は地形が複雑なので、視界不良時はルートファインディングが難しい。
虎子山、国見岳、静馬ヶ原の北面は、急傾斜の雪壁となるので、滑落に注意が必要。下りに使用するのは避けたいところ。
伊吹山ドライブウェイは、冬期は静馬ヶ原から伊吹山山頂までは通行できないと考えた方がよい。
伊吹山北東尾根は、雪の状態にもよるが、普通にアルパイン3級はあるので、安易に立ち入ることはお勧めできない。
2/20 | |
7:00 | 奥伊吹スキー場駐車場(730m) |
8:00 | 第10リフト終点(1200m) |
8:40 | ブンゲン(1259m) |
12:45 | 虎子山(1183m) |
13:30-44 | 国見峠(850m) |
14:30 | ビバーク地点(1000m) |
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2/21 | |
7:00 | 出発(1000m) |
8:15 | 国見岳(1126m) |
9:40 | 御座峰(1070m) |
12:15 | 静馬ヶ原(1100m) |
14:00 | 伊吹山北東尾根(1200m) |
14:30 | 1310mピーク(1310m) |
14:45 | 伊吹山山頂(1377m) |
15:25 | 伊吹山スキー場上部(890m) |
15:53 | 伊吹山スキー場下部(415m) |
16:15 | 伊吹山登山口(230m) |
17:05 | R365高番交差点(165m) |
17:24-48 | 米原市伊吹庁舎バス停(180m) |
18:20 | 甲津原バス停(510m) |
19:00 | 奥伊吹スキー場駐車場(730m) |
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早朝の奥伊吹スキー場。
奥伊吹スキー場最上部より、ブンゲン方面に進む。
ブンゲン山頂。
ブンゲンから虎子山、国見峠を望む。伊吹山はガスの中だ。
国見峠まで、いくつものピークが連なる。
ブンゲン南斜面の新雪は素晴らしかった。ふかふかパウダーの滑降。
起伏のある尾根を越えていく。テレマークスキーの機動性が生かされる。
時折晴れると別世界が広がる。
所々雪庇が発達している。通行に苦労する。
虎子山北面の急斜面、上部は滑落に注意。
虎子山山頂。
国見峠。教如上人ゆかりの岩屋の案内板がある。
ビバークサイトから虎子山がきれいに見えた。
ビバークサイト。
雪洞。
二日目の朝はうって変わって快晴。奥伊吹、貝月山方面の展望が素晴らしい。
国見岳北面の急斜面。
国見岳山頂直下。
国見岳山頂から伊吹山を望む。まだまだ遠い。
国見岳下りの滑降。快適な斜面。
国見岳と御座峰の鞍部より伊吹山を望む。
御座峰上部。
静馬ヶ原から伊吹山を望む。伊吹山ドライブウェイは雪に埋もれているように見える。
伊吹山ドライブウェイ。
伊吹山ドライブウェイは雪壁に阻まれ通行不可能。
伊吹山北東尾根下部。不安定なやせ尾根だ。
北東尾根の南側は切れ落ちており滑落に注意。
北東尾根より伊吹山南峰、あとひと登り。
北東尾根上部。
伊吹山山頂から、来し方を望む。遥か遠くにブンゲンが見える。
伊吹山山頂。
伊吹山山頂より、霊前山、御池岳方面。
奥揖斐、奥美濃、白山の山々の展望が素晴らしい。
伊吹山南斜面上部。
伊吹山南面の大斜面
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