2010年 3月15日
奥揖斐・能郷白山・山スキー


能郷白山、1600mあまりの高さだが堂々たる名山だ。前山からの滑降も楽しい。
能郷白山、1600mあまりの高さだが堂々たる名山だ。前山からの滑降も楽しい。

GPS軌跡
GPS軌跡


 雪解け水で増水する根尾川を遡り根尾能郷へ。立派な杉の大木が茂る白山神社を過ぎ、能郷谷を遡る。先週偵察に来たときより林道の雪はかなり減っており、八谷まで車を入れることができた。

 ここから林道歩きとなる。天気は晴れているが、山の上部はガスの中である。八谷からしばらく歩くとゲートがあり、雪がなくてもどのみち車はここまでしか入れないことがわかった。能郷谷の湾曲部(570)を過ぎたあたりから雪道となり、シール登高を開始する。しばらく登高すると登山口だ。

 ここで能郷谷を渡渉し、尾根に取り付く。尾根下部の雪はほとんど解けており、スキーを背負い急傾斜の夏道を登る。しばらく登ると雪が出てきてスキー登高が可能となるが、傾斜が強く、ところどころ雪がないため登高に難儀する。900mを過ぎたあたりから雪が十分となり快適に高度を稼ぐ。ブナ、白樺の疎林となり、さらに一登りすると稜線に飛び出す。

 ここからは前山を目指して登高する。視界がよければ前山が見えるはずだが、ガスで上部は見えない。
気持ちの良い尾根を快適に登っていく。1300mを過ぎたあたりからガスが晴れ、前山が姿を現した。

 前山からの能郷白山の眺めは素晴らしいの一言だ。大量の雪をたたえたその姿は、まさに純白の山、白山である。たかだか1600mの山とはとても思えないたたずまいだ。能郷白山から磯倉さらに南西へ延びる稜線も奥美濃の山とは思えない景観である。前山上部の白樺には霧氷が付き、青空とのコントラストが素晴らしい。霧氷の並木道だ。

 前山からは雪庇の発達した尾根を一旦100m下り200m登り返す。最後の登りは純白の雪壁だ。

 山頂はなだらかな雪原で、360度の大展望だ。姥ヶ岳、部子山など福井の山々、冠山、三周ヶ岳、蕎麦粒山など奥美濃の山々、先週登った金糞岳、伊吹山、南北中央アルプスに乗鞍、御岳、そしてひときわ加賀白山が大きく白い。

 山頂を十分満喫し、いよいよ滑降、一気に鞍部まで下り、再びシールをつけて前山まで登り返す。

 前山からの下りも素晴らしい斜面だ。雪質は腐れているが、難儀もなく快適な滑降。

 帰りは登高に使った尾根ではなくもう一本南の尾根を下る。こちらのほうが雪が多く、尾根も広いので滑降に向いている。登山口に戻るためには最初の尾根に戻らないといけないが、間の沢の上部が雪崩で埋まっているため注意が必要だ。デブリの最下部より下で沢を渡りもとの尾根に戻る。登山口のすぐ上までスキーで降りることができた。

 帰りの林道は雪が途絶えるまでスキーで下り、後は駐車地点まで歩いて戻った。

 今回林道の雪がなくなるのを待っての山行であったが、どのみち車止めゲートがあることを考えると、もう少し雪のある時期を選んだほうが滑降が楽しめる分よいだろう。


6:25林道駐車場(360m)
6:45ゲート(400m)
8:05-8:15登山道入口(710m)
10:05稜線(1170m)
11:20前山(1518m)
11:41-11:56最低鞍部(1420m)
12:51-13:17能郷白山山頂(1623m)
13:43最低鞍部(1420m)
14:15前山(1518m)
14:54稜線(1130m)
15:40登山道入口(710m)
16:40林道駐車場(360m)
雪の消えた能郷谷沿いの林道を歩く。
雪の消えた能郷谷沿いの林道を歩く。

登山口、ここから徒渉し、正面の尾根に取り付く。
登山口、ここから徒渉し、正面の尾根に取り付く。

稜線を目指し尾根を登る。
稜線を目指し尾根を登る。

前山への登り。
前山への登り。

前山上部は霧氷の並木道。
前山上部は霧氷の並木道。

前山の霧氷。
前山の霧氷。

前山から見た能郷白山、堂々たる名山だ。
前山から見た能郷白山、堂々たる名山だ。

能郷白山への尾根。
能郷白山への尾根。

スマートな磯倉。
スマートな磯倉。

鞍部から見上げた能郷白山。
鞍部から見上げた能郷白山。

どこまでも青い空と、どこまでも白い雪壁。
どこまでも青い空と、どこまでも白い雪壁。

能郷白山山頂。
能郷白山山頂。

冠山方面、奥美濃の山々。
冠山方面、奥美濃の山々。

能郷白山から前山。
能郷白山から前山。

加賀白山、白く大きい。
加賀白山、白く大きい。

白谷、徳山ダム方面、遠くに伊吹山。
白谷、徳山ダム方面、遠くに伊吹山。

前山の滑降、広く快適な尾根だ。
前山の滑降、広く快適な尾根だ。